村松 弘康

 「極楽」を生きている友人がいる。
 名前は「まじる」。沖縄本島に住み,2年前,九死に一生を得て,また「極楽」に舞い戻った男だ。
 そのまじる保存会の会長は,「人がみな海に向かうときに、1人山に向かう男がいる。そういう景色を自然だと感じる感性をもった男それがまじるだ。」とほめちぎる。
 会長とまじる、その友人のりんけんバンドの照谷林賢、世界中から雑貨を買い集めてくるエネルギーのかたまり地球食堂の主池原真一郎、それに江場社長と一晩語った。
 人間が自分の権利を,自覚し,自律し,自己主張する。これを憲法では「基本的人権」という。
 憲法は,人間の個性や多様性を丸ごと認めるすごい法律なのだ。
 個性的に生きるやつが輝いて生きられるように,憲法は人間の多様性をどこまでも守ろうとするのだ。


 今ほど,自分を生きることに臆病になっている時代はないのではないか。みんな長いものに巻かれて安穏にばかり生きようとする。流れに竿して少数でも異論・反論を言うやつがいない。どうした人間。DNAにしっかりと刻み込まれている生命力,直感力,野性の力はどこへ行ってしまったのだ。

 たとえ約束された明日がなくとも,いや,約束された明日がないほど、我々は支え合って生きることができたし、これからもできはずだ。
 会長は,1人山へ向かうやつに,「寝るところはあるか。食べるものはあるか。寒くはないか。」と声をかける。一人山へ向かおうとも、決して孤独ではない。友愛に支えられた人間関係は決して滅びはしない。

 会長は、我々のいのちは「神の巧みな計略」によって生かされている。ゆるがず「足下を堀れ」ば、普遍へと到達する、と強調する。
 21世紀が,人間がより人間らしくなっていく時代であるために,我々は,今こそ山へ向かわなければならない。


会長とは,bokunenのことである。