藪下 栄一

 衛星電話経由で受けました三浦雄一郎からのメッセージと山頂及びアタック中(5月6日―9日)の間に撮られた写真です:
 「70歳ちかくになって、体力的に本当に苦しく厳しい気持ちを乗り越えてこのような素晴らしい挑戦を果たせたこと、また、息子の豪太とともに親子で達成できたこと。チャレンジ、夢、希望・・・そういった思いを胸に世界で6番目に高い山頂を極めることができた。
 山頂での景観は心が震えるほど素晴らしかった。まるで地球全部を見渡せるように、世界の尾根を一望にすることができた。
 山頂までの道のりは垂直の氷壁、永遠に続くかと思われる雪原、苦しく辛い夜。それらを乗り越えて死力をつくして登頂した。
 チョー・オユーの山頂から世界最高峰のエベレストとローツェをくっきりと目の当たりにして、ひとつの目標が達成した充実感の次に、さらなる最強、そして最高の山、エベレストというさらに高く厳しい目標へ挑戦するという決意を新たにした。
 一緒にサポートして登ってくれたシェルパ達は最高のメンバーだ。ヌルブ、ンガテンバ、ヌワン、そしてダーヌル。彼らは多くの8000メートル峰を制覇してきた強者たち。共に山頂を極めそして喜びを分かち合った。本当にありがとう。
 たった今、無事にベースキャンプへ帰還しました。へとへとに疲れていますがとても元気です。
 応援していただいた日本の皆様にあらためて心より感謝申し上げます。
69歳、人生はこれからです。」
三浦雄一郎