《家族に説明》

 ワイフ、すこし心配顔。
息子曰く「お父さんに何かあったら、働かなきゃならない」少しだけ罪の意識を憶える。「心配無用、あまり危険の無い所だからね。必ず元気で帰ってくる。でも生命保険は必要にして充分なだけ入っているから」と話す。それで納得したのかな?あまりセンチにならないのが、わが家族のいいところかも

 《最新のザック》

 海外登山は、勿論初めてなので大型ザックが必要となり購入。カリマー社の85〜95Pという巨大な物。あまり高くなかったので助かる 。今のザックは凄い、体型に合わせてフルアジャスタブル、しかも重量分散が徹底的に考えられている、脊柱の負担軽減を図る為、骨盤に重量を分散するのだ、しかも背中に汗をかかない様に工夫してある。

  それでも寝袋やら着替え等を入れると容量が不足気味。この大きなザックを見ているだけで何やら溜息が出てくる、それにしても腰痛持ちで50男の俺に背負えるのだろうか?

コルセットを忘れずに持って行くことにした。

 《経過》

  今年の5月末頃から、具体的な準備に掛かる。旅行会社は、日程によりマウンテン.トラベル社に決定。申込金を振り込む。健康診断書とパスポートを送付。

 6月、先に述べた予防接種を受ける。日々のウオーキングの傍ら早池峰山に最終調整に出かける。体調は概ね良好。

 7月、学生時代の「教授を囲む会」に初参加。久し振りの顔を見る、懐かしいものである。皆すっかりオヤジ顔。でも発言は昔のままで率直かつ過激(な人もいる)、内容は世間に揉まれて学生時代よりも分析が的確であるが発言スタイルはまるで変わりがない。成長しているのか、していないのか良くわからない。教授は相変わらず穏やかな紳士で、大人と言う印象。一方、集まった一同はやんちゃ坊主がそのまま年取った感じ。何となく安心。

 8月はじめ、参加OKの通知を受ける。ケニア、タンザニアのビザがおりる。当月29日出発予定である。岩手山に登る(2038m)。2000m以上の山に登ったのは実に23年ぶり。体調は概ね問題なし。出発間近なので、怪我などのトラブルに気を付ける。当然、お盆休みは返上で診療。仕事の傍ら準備をしなければならない。

  《装備》

 ・書類 - パスポート、予防接種証明書、ビザ申請、旅行保険加入

 ・登山用具 - ザック(メインとサブ)登山靴、寝袋、防寒具(フリースと防寒兼用ゴアテックス雨具、オーバーズボン、手袋、防寒用高所帽)ヘッドランプ、電池、トイレットペーパー、洗濯石鹸、ロウソク(これが後で役立った)登山用寒暖計、等。

 ・医薬品  - 持病の常備薬。救急薬品(注射器、ソルコーテフ、抗菌剤オゼックス、止血剤、鎮痛剤、カットバン、サージカルテープ等)消毒石鹸、ぬれティッシュ、滅菌ガーゼ、ゴム手、等

 ・筆記用具  - メモ帳、電子辞書(全く使わなかった)、シャープペン、水性ボールペン

 カメラ  - かなりこだわりがあります、悩みに悩んでボディ2台とレンズ3本。コニカRFとRolleiflex(6×6)にした。フィルムはコダックE-100VSを数十本、フィルムプロテクター2枚、スペア電池
       
 ・非常食  - カロリーメイト、VitaminC 入りキャンディ等

 ・腰痛防止コルセット - これは私の場合必携です。

 食料、食器その他は、現地ポーターの受け持ち範囲とのこと。荷が軽くなる助かった。準備で一番考えたことは、「軽量化」。持病の腰痛対策と長距離.長時間歩行の為には、これが絶対的に影響する筈だから。しかし必要かつ充分な装備であることが大前提。軽量化は徹底的に図りました。

  着替えは最小限とし、交互に洗濯する予定。衣類は全て吸汗性が良く乾きやすい新素材を採用、洗濯してもすぐ乾く。登山用スラックスなどは自宅から帰宅までこれ一本(途中一度洗濯した、翌朝までには乾く)で済ませた。

  最終的に85Pの大型ザックが丁度一杯になる位の装備となり(限界まで詰め込めば95Pまで入る)その割に重量は軽く約18Lで済みました。装備の軽量化は成功です。しかし、体力は幾分付いたものの人間自身の軽量化は最後まで上手くいかなかった。