《トレーニングと前準備》

 出発まで6ヶ月間のトレーニングはもっぱらウオーキングと
早池峰登山である。ウオーキングは毎日ではなく、
一週間に3〜4回程度。 距離は7〜8kmを60分位で。
早池峰登山は自分の体が空いている休日を利用して、
可能な限り登る事とした。前述したが3〜4年前に登り始めた頃は、
登り3時間20分程度、下り2時間半であった。これは、
登山ガイドブックの標準コースタイムと同じペースで、決して遅くはない。

 最初の1〜2年はなかなかトレーニングの効果が出てこなかった、
しかし、年中続けていると体が慣れてくるのか歩き方に無駄が無くなり、
体力のロスが最小になる為かあまり休まなくても済むようになった。
昨年あたりからは、登りで1時間30〜40分、下りで1時間10〜20分まで
短縮出来るようになり、山頂で10分ほどの休憩を入れても通常は
往復でも3時間以内で済むようになってきた。
大雑把に言って、約半分の時間に短縮できるようになった訳である。
(それにしても体重は減らないもの、しかし体脂肪は19%程度になった)

  あとは高度順化のトレーニングが不足。岩手に高い山はない、困った。
富士山(3773m)か 穂高(3100m位)あたりで何日か過ごして、
体を低酸素に慣らしたいが、まとまった日程がどうしても取れない。
地方に住んでいるデメリットだろうか。併行して、旅行会社の選定である。

 キリマンジャロ登山を企画している会社は私が知っている限り二社だけ。
リスクの高い企画なので所定の検査様式の診断書提出と同意書の
提出が求められる。参加の可否決定は東京医大に依頼とのこと。

  旅行会社も事故を恐れ、ガモフバッグ(加圧式の風船)や
パルスオキシメーターを準備している。
(酸素はボンベ類を飛行機に積めない為)
私の場合は、医院経営の関係で収入が途絶えると困る事から、
8月末〜9月始め(当地では学校の夏休みが終わっている)の日程を考え、
それに合った企画を選択。勿論、今年のお盆休みは返上で診療である。

 ケニア、タンザニア入国にはイエローカード(「注意印」ではない、
黄熱病予防接種済み証明)の提示が必要で、6月、台風接近中に
高速道路を飛ばし仙台検疫所(国立仙台病院)まで接種に行って来た。
ついでに、熱帯マラリアの予防薬も入手してきた。
いつも仙台は通過するだけなので地理は詳しくないが何とかたどり着いた。
この国立仙台病院は私が生まれた頃(1952年)、
亡父が短期勤務していた病院である。人生50周年行事のアフリカ行きには、
なんとも奇妙な縁を感じる。