竹岡 雅史

 北海道という土地に住むことの意味とか、ここは日本という国にとってどの程度の場所なのか、北海道価格って何かおかしい等と考えた道産子は多いと思う。
 ニッポンという名の国民であるはずなのに、道民の意識が政治に反映されたような気がしたことがない。知人が東京から遊びにくる価格より、我々が東京を訪問する旅費とかホテル代が高いのは何故なのか?かつてイギリス人が海外の植民地へ旅行をしたのは、本国の数分の一で生活が出来たからだという。ひょっとすると北海道はニッポンという国の植民地で、本国から搾取されている可哀相な地方なのかもしれない。
 ゼネコンは北海道に公共投資をするといいながら、おいしいところは殆ど本州に持って帰るくせに、いかにも恩きせがましい捨て台詞を残していく。いわく、北海道の体質は相変わらず他力本願で、地方助成金に頼ってばかりいるタカリだ。あるいは何時までも開発費を要求する、後進的な地域と甘んじている情けない奴らとかいう。かといってエア−・ドゥ−が格安料金というか適正価格を示すと、本州勢力はこぞって道産子の気持ちを踏みにじるかのような手段で対抗してくる。
 ドメスッティックなイジメにあっているような錯覚に捕らわれ、お荷物扱いされながらも利用されている気がする。いつまでも自我を確立できなくて、本州の政府という名の機関に弄ばれているような。そんな気がしてならない今日この頃、思い切って独立宣言をしてニッポン中を仰天させようという思いが湧いてきた。もし北海道が独立できたなら、世界の小さな国々に大きな希望を与えられるかもしれない。北海道の広さがあれば完全に独立国として自給自足できるし、輸出も出来る可能性もあってそれらの国に希望を与えることもできる。
 我々の祖先は此処に必死の思いで来道し、個々の理想を追求する覚悟で海峡を渡ってきた。ひるがえって僕たちは当たり前のように北海道に住んでいながら、この土地に何かを求めてきた先人の希望とか理想を胸に秘めて生活しているとは思えない。そこで面白い話をこれからしてみましょう。おとぎ話として聴いてください。