竹岡 雅史

 「チェンマイいいとこ」  2月21水曜日
 昼頃の飛行機なんだけど、例によって落ちつかないので、早めのドンムアン空港をウロウロすることにする。ホテルのやはり白タクと交渉すると、450バ−ツだという。3人割りにすれば150バ−ツだから高くてもいいということで、ボルボの豪華タクシ−で空港へと向かった。
 空港ウロウロウオッチングは失敗だった。殆どのショップは国際線の出発カウンタ−内にあり、チェンマイまではタイ国内だから入れなかった。ゲ−トの内がわに入るには、海外へ出発するチケットが必要だったのだ。しょうがないから待合室で待つことにしたが、国際線に比べて国内線の待合室のお粗末なこと。小さくて椅子も空いてないし、案内ボ−ドとかカウンタ−も臨時的なものだった。
 おまけに出発は遅れて、バスに乗って搭乗するという。機内サ−ビスも印象に残らず。チェンマイの空港は田舎風の小さなもので、ホテルから迎えが来ていたが、ツア−会社からも迎えが出ていたそうだ。ナイトバザ−ルのすぐ裏側のチェンインというホテルで、古いけどまあまあの朝食付きで1500バ−ツ。でも小島君がツインベッドで僕たちはダブルベッドだったことを後で知ったが、たぶん取り違えたのだろう、独身と夫婦を。
 さっそくチェンマイ名物のタイマッサ−ジを探しに出掛けた。スリウオンゼニスホテルをチラッと覗き見して、本当はこのホテルに泊まるはずだったのに、そう思ってみると中々趣のあるいいホテルだった。その予約の取れなかったホテルの前を過ぎ、どぶ川を過ぎて数々物色したあげく、経営者が中国人らしいマッサ−ジ店に入った。
 服を脱がされて浴衣のようなのと着替えをし、暗い二階に上げられた。そこには二三人の人が転がされてマッサ−ジされていた。僕等も小さな布団の上に仰向けに寝かされて、身体中を揉まれだして悲鳴を上げた。特に小島君は悲痛な叫び声を上げては、マッサ−ジのお姉さんたちから笑われる。僕はそのうちとても気持ちがよくなって、やや満足するが普段から肩凝りなどはしないので、ハッキリ言っていいんだか良くないんだか判らない。一時間で150バ−ツは安いと思う。
 夕食は屋台でカオパッとかラ−メンのような汁物を食べるが、凄く美味しかった、三平という名前の日本贔屓の屋台で、メニュ−も日本語で書かれていた。タイで一番美味な屋台料理屋さんだと思った。腹が一杯なってからナイトバザ−ルへとそぞろ歩く。目移りして何が何だか分からない素人ショッピングなので、早々と疲れながらも山岳地帯の少数民族の露店を見つけた。
 チェンマイはタイとミャンマ−の国境地帯に位置し、ゴ−ルデントライアングルと呼ばれる麻薬栽培地とも近い。そこからミャオ族とかモン族などが麻薬に変わる、手作りの商品をいろいろ持ってきて売っていた。ハニ−は喜んでそこでお土産を買っていた。素朴だが手の込んだ編み物のようなモノが多く、なかでも奇麗な模様のサイドバックがイカシてた。繊細だけど大胆なところが潔くてスッキリ感を与えてくれる。
 それにしてもタイという国には屋台というか、露天店舗がやたらと多いのに驚いた。見た感じでは専門に店を開いているのではなく、アルバイトというか片手間にやっている気もした。たぶんあのような形で店を開くのが好みなんだろう。商品も何となく同じようなものが多く、問屋というか卸の仲介人がいるようだ。そのやり方がおおっぴらなので誰もが簡単に店を開ける。それって楽しくていいし、僕もやってみたいと思った。