《キリマンジャロ番外偏》

 え〜番外偏です。

 実は私、184cm、90sばかりの体躯で日本製としては大柄です。この山行は全てエコノミー席ですから、長時間では窮屈でシンドイです。

 でも、でも上には上があるものです。帰りの飛行機でドバイで一緒になった数人の大男がいました。一人は2m位の身長で体重は200`ぐらいの黒人の大男。それ以外に、白人が数人で、いづれも私よりずーっと大きくてガッチリと強そうな感じで、見たところ190cmはありそう、体重だってかるく110〜120sはありそうな連中でした。

で、この連中、悪いことに私の前列だったんです。狭いエコノミークラスなのに無理やり入ってきて強引に座ったのでした。さらに悪いことに、その中でも一番大きい黒人が私の前の席。驚いたことに、その黒人の大男が座ると座席が壊れんばかりに歪むのです、イスが壊れたらどうしよう。もろに200`級の体重が圧し掛かる事になります、コワイ。

  ただでさえ狭いエコノミークラスですから、この大男達にはもっと窮屈に感じたのでしょう、リクライニングしてくるではありませんか。さらに座席はシナルを増し大きく歪みます、間近で見ていて恐怖です。せっかく無事に下山したのに、帰りの飛行機内で押しつぶされては。

 飛行機が揺れるたびにキシむイスを心配するのでした。シンガポールまで一緒でしたが座席は何とか持ちましたから、飛行機の座席の設計強度はかなり余裕を持ったものである事が判りました。

 乗ってる時間が長いので、暇つぶしに何かと目立つ彼らを観察していました。
件の巨体黒人の腕の太さは、私の太腿ぐらいで筋肉質、肩の筋肉も盛り上がって胸板も厚い。こんなの見たこと無い。飛行機のトイレは狭いですよね。ところがこの超巨漢は、実に器用に狭いドアをくぐり抜ける技を持っているのでした。

  正面からではドアよりも体の方が大きいので通過は不可能、彼は巨体を軸方向に回転させながらスルリとドアを滑り込ませていました。う〜ん感心。トイレから出てくる時も滑らかな動きで器用にドアを通り抜けていました。旅なれている感じ。

 後日、自宅でテレビを見ていたら、たまたまK1グランプリの番組でした。リング上見た男は、どっかで見た覚えが?俺の前の席に座っていた、あの大男だ。ボブ.サップと言う名前だ。リングの傍らにトレーナーらしき白人にも覚えがある。ボブ.サップの隣にいた白人の大男だ。

  TVのバラエティ番組で見たのだけど、最近結構人気があるらしい。ボブ.サップは、見かけによらず頭脳明晰なインテリで、州立ワシントン大学の薬学部を三年で修了したとの事、その後は社会学を専攻とのこと。

 知ってたらサインもらったのに。