テッチ・オッタン
(フリーライター)

6/7
 ヨシノリはちょっと買い物に出てもすぐに帰りたがり、飲み物しか受け付けなかった。昼1時位から夜10時までヨシノリは寝た。時差ボケなどがあるんだろうと思い、飯抜きだったがかまわず寝かせておいた。この頃から顔の腫れもおさまってきて熱も37度台に下がってきた。一旦起きると、また帰りたいらしく「ママ」と連発!仕方がないので電話でもかけてやろうと思ったが、僕のかけ方ではどうもうまくいかない。何せアメリカでの「国際電話のかけ方ガイド」はあっても「バハマでのかけ方」なんてのは載ってはいなかった。
 そこでアメリカを通して国際電話をしようとしたが、800番(フリーダイヤル)を通しているので外国からはちょっと無理だったようだ。ちょうど、札幌の義姉がこっちに電話をくれたので助かったが、語学力がもう少しあればスムーズにかけられたのかな思う。
 実際デトロイトからマイアミに行く便に乗った時、俺とヨシノリの席が間違って存在しない席だったので、あっちこっち移動させられてしまった。さらに、ヨシノリがパニックになった時も早くスチュワーデスに言っておけばそんなことにならなかったかもしれない。

6/8
 昨日ちょっと冷えていたせいかヨシノリは朝食の時、水とジュースをがぶ飲みして吐いてしまった。ちょっと咳き込んでいたせいかも知れない。服がベチョベチョになったので着替えてからの出航となった。
 以外なことにヨシノリは機嫌がいい。飛行機なんかよりずっと広いキャビンもあるし、食堂兼居間もある。昼寝のできる甲板もあるし、ヨシノリは乗るなり「ドーナツを喰わせろ!」と騒ぎ出し5〜6個たいらげた後、さらに2〜3個喰った。今までの何回か分を取り返すように平らげた。その後爆睡し、目覚めた時にはハイな状態で元気いっぱいだった。午後になり浮き輪に乗ってチャプチャプやったら気に入って「もう一回やらせろ!」と騒いでいた。しかし、その日は早く寝すぎて夜中の3時頃目を覚まし、おかげでこっちはしんどかった。