テッチ・オッタン
(フリーライター)

6/13 
朝、10時ころヨシノリを連れてイルカの海に繰り出した。初めに頭から海水をかぶってヨシノリは目を開けていられなかったみたいだったがイルカのそばに近づいたらニコニコしていた。俺も一緒に着いていったが、距離が結構あったのでちょっとしんどかった。足をばたつかせてもなかなか前へは進みづらいものだ。かなづちの悲しさか。今、イーストエンドの港(港しかないところで他に倉庫しかない)に入る。
降りてみて驚いたのは大地がグラグラ揺れている感じがする。陸が近づくにつれて気が重たく感じられる。海の上では気は強く優しい感じがしたのにおもしろいもんだ。エメラルドグリーンのきれいな海、カリット熱い海、見渡す限り海、海、海、、、他には何もない。
自分自身が開放されてすべてがリフレッシュされる。この心地よさは何だろう。イルカと一緒に遊んでいる夢のような日々、明日フリーポートへ帰ればすべてが終わる。黄金の一週間よ!3:00頃から浅くてエメラルドグリーンだった海も次第に青黒い普通の海に変わりイーストエンドという島の港に停泊した。ここはかなり大きな島らしいが中継基地というところなのだろう。ヨシノリと一緒に上陸してみたら揺れる船の上にはすっかり体が馴染んでしまっているので地面がグラグラと揺れて感じるのでびっくりした。地面の土の方が酔ってしまいそうだった。夕飯を食ってフロリダ名物のキーライムパイ(死ぬほど甘い)を食べる。船長のルネが2、3マイル離れたところにバーがあるから希望者は行っていいと言った。出発する明朝6:30分までに戻ってくるようにとのことだった。俺とヨシノリと仕事を残している浮田氏だけが残っていたが の後の寂しさがひしひしと感じられた。バーから帰ってきた皆の顔もどことなく暗く感じられた。

6/14
 いよいよ下船の日が来た。9:00には下船という話だったが8:00にはもう着いてしまった。あっけない幕切れである。タクシー待ちの間、ヨシノリは船室の中で一人いつもの席に座っていつものクッキーを喰っていた。他の皆はいいようのない疲労感のなか、ヨシノリだけは元気にマイペースで動いていた。タクシーが来て皆がクルーに
タクシーに乗るとヨシノリは久々に自分の好きな車に乗れるのではしゃいでいた。岩倉さんにヨシノリをみててもらい俺はTシャツなどの土産をみてイルカのマーケットに行って
買い物をした。飯を食って1:10分の飛行機に乗るとあの懐かしいエメラルドグリーンの海が雲の切れ目から一瞬だけ見えた。